当院のイボ取り方法・治療法
冷凍凝固法
液体窒素をイボに噴霧して、1~2週間ごとに繰り返し治療を行い、イボの細胞を冷却・破壊する方法です。最も一般的な治療方法と言えます。治療後は赤みや水ぶくれが生じ、その後かさぶたができて自然に剥がれます。治療には痛みを伴います。
炭酸ガスレーザー(焼却)
炭酸ガスレーザーでイボの細胞を蒸発させる治療方法です。出血や痛みが少なく、傷跡も残りにくいのが特徴です。イボにのみ照射するため再発のリスクはやや高くなります。
ピンセット
水イボなどはピンセットで除去できます。麻酔テープを使うため痛みが抑えられ、傷跡も時間とともに目立たなくなります。
サリチル酸絆創膏
サリチル酸絆創膏で角質を柔らかくし、組織を徐々に脱落させることでイボを小さくします。
ヨクイニン(漢方薬)
ヨクイニンはハトムギ由来の漢方薬で、1日3回の服用が必要です。1~3ヶ月で効果が現れ、痛みがなく副作用も少ないため、穏やかな治療を希望する方におすすめです。
イボの原因やイボの種類別の
特徴・見分け方とは
イボができる原因
イボの原因は主にヒトパピローマウイルスの感染で、ヒト・ヒト接触や、プール・お風呂のマット、スリッパなどを介して間接的に感染することもあります。発症には1~6ヶ月かかることが多く、感染経路の特定は難しいです。イボにはウイルスの種類による多様な種類があり、「水いぼ」は伝染性軟属腫ウイルス、「老人性イボ」は紫外線や皮膚の老化が原因で生じます。
ウイルスの場合
ヒトパピローマウイルス(HPV)
ヒトパピローマウイルスには多くの種類があり、イボの原因となるだけでなく、性感染症や子宮頸がん、男性の尖圭コンジローマの原因にもなります。
伝染性軟属腫ウイルス
伝染性軟属腫ウイルスが皮膚内で増殖すると水イボができます。潜伏期間は2週間~数ヶ月で、水イボが潰れるとウイルスが拡散し、別の部位や他人に感染する恐れがあります。また、タオルの共用でも感染が広がるため、家族間での感染には注意が必要です。
加齢や摩擦・紫外線などの
場合
老人性イボは「脂漏性角化症」または「老人性疣贅」とも呼ばれ、加齢や紫外線、摩擦の影響で皮膚に生じます。特に頭皮や顔、首など紫外線を受けやすい部位に発生しやすいです。
イボの種類別の特徴・見分け方
ウイルス性のイボ
尋常性疣贅
(じんじょうせいゆうぜい)
尋常性疣贅は一般的なイボで「ウイルス性疣贅」とも呼ばれます。ざらざらした白っぽい突起が特徴で、手の平や足裏に多く、ヒトパピローマウイルスによって感染します。
青年扁平疣贅
(へんぺいゆうぜい)
扁平疣贅は平らなイボで、しばしば発生します。おでこや手の甲に多く見られ、ヒトパピローマウイルスに感染することで発生します。
尖圭コンジローマ
尖圭コンジローマは性感染症の一種で、亀頭、外陰部、肛門周辺に発生します。乳頭状の尖ったイボ、またはカリフラワー状の盛り上がったイボが特徴で、ヒトパピローマウイルスに感染することで起こります。
ミルメシア
ミルメシアはドーム状に盛り上がり、中心がくぼんだイボです。手の平や足の裏に多く見られ、魚の目と間違われることがあります。ヒトパピローマウイルスに感染することで発生します。
伝染性軟属腫(水いぼ)
水イボは子供に多く発症し、表面はツヤツヤとしていて、粒々の丘疹となっています。
かゆみを伴うことが多く、掻きむしることで水イボが潰れて、さらに飛び火状に広がることがあります。伝染性軟属腫ウイルスに感染することで発生します。
紫外線・加齢によるイボ
老人性疣贅
(ろうじんせいゆうぜい)
(脂漏性角化症)
老人性疣贅は中高年~高齢者に多く見られる、茶色や褐色の盛り上がったイボです。加齢や紫外線による皮膚のダメージが原因とされ、顔、頭皮、首など紫外線の影響を受けやすい部位に発生します。保険適用で液体窒素による冷凍治療が行われます。
軟性線維腫
(スキンタッグ・首イボ)
軟性線維腫は首イボ(中年イボ)とも呼ばれ、摩擦、加齢、紫外線などが原因で発症します。皮膚が薄い部位にできやすく、特に中年以降に多く見られます。
アクロコルドン
(首イボ、脇イボ、胸イボ)
アクロコルドンは、摩擦の刺激で発生する突起状のイボで、特に首や脇に多く見られます。30代以降に発症し、初期段階であれば液体窒素による冷凍治療で除去可能です。
いぼは自力で除去できるのか?ハサミで切っても問題ない?
イボをハサミで切り取ることは、感染や化膿のリスクがあり、強い痛みも伴いますので、避けた方がよいでしょう。市販薬はウイルス性のイボに効果があることもありますが、他の種類のイボには効果がない場合もあります。早くきれいに治すためには、皮膚科での治療をおすすめします。
イボができたとき
やってはいけないこと
イボができた時は、以下のようなことに注意しましょう。
- 傷やささくれを作らないようにする
- 保湿剤を使って皮膚を保護する
- 紫外線対策をする
- イボを触ったり、自分で取ろうとしたりしないようにする
- 自己流で治そうとせず皮膚科を受診する
など
イボのQ&A
イボの治療は1回で完治する?
イボの症状や大きさによって治療回数は異なりますが、一般的に1回の治療では不十分で、複数回の治療が必要です。特に成人の場合、頑固なイボは完治までに時間がかかることが多いため、継続的な治療が重要です。
治療後は跡が残る?
治療方法によって結果は異なりますが、液体窒素による冷凍治療では一時的に色素沈着が残ることがあります。気になる場合は、美白効果のある薬剤を使用できますが、その場合は自費診療となります。
治療をしても再発する?
ウイルス性のイボで治りにくいタイプの場合、再発することがあります。また、加齢によるイボも、一度治った後に時間が経つと再び現れる可能性があります。
イボはがんに変化することがある?
ヒトパピローマウイルスは約100種類あり、その中には子宮頸がんを引き起こすものもあります。しかし、イボを引き起こすウイルスががんを発生させる可能性は非常に低いとされています。
ただし、ボーエン様丘疹症や尖圭コンジローマでは、がんを引き起こすウイルスによる感染のリスクがあるため、注意が必要です。