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口唇ヘルペス

口唇(こうしん)ヘルペスは
うつる!?口唇ヘルペスとは

口唇ヘルペスとは

口唇ヘルペスとは口唇ヘルペスは、単純ヘルペスウイルス(HSV)によって引き起こされる一般的な感染症です。
主にHSV-1型が原因となりますが、HSV-2型によっても発症する場合があります。痛みを伴う唇水疱や潰瘍が口の周囲に現れ、7~10日ほどで自然に治ることが多いでしょう。人にうつる可能性があるため、感染した人の周りでうつさない・うつされないための対策が重要となります。

口唇ヘルペスの主な感染経路

単純ヘルペスウイルス(HSV)は、主に人と人が直接触れ合う「直接感染」で感染が拡大します。単純ヘルペスウイルスの感染力は非常に強く「もし手を洗わなかった場合は付着したウイルスが数時間死滅しない」と言われるほどです。以下で具体的な感染源をご紹介します。

キスや性行為による感染

口唇ヘルペスは唇周辺に発生するため、キスをするとかなり高確率で感染する可能性があります。また、オーラルセックスによって性器に感染し、性器ヘルペスを発症する可能性があります。

食器・タオルの共有による
感染

同居家族間での感染経路として多いのが、感染者との物の共有です。付着したウイルスが死滅しにくいため、
感染者の唾液や体液がついた食器やタオルを介しても移るリスクがあります。

唇のピリピリ・むずむずする
のは口唇ヘルペスの前兆!?
症状は?

口唇ヘルペスの発症前は、前兆となる症状が現れることが多いとされています。
前兆の症状には唇周辺のピリピリやむずむず、痛み、ほてり、人によっては頭痛や発熱などが見られます。
これらは再発時にも見られ、要注意の症状です。前兆が現れてから半日程度で水疱ができるなど、本格的な症状が現れます。なるべく早期の対処が重要です。

前兆、初期症状…
口周りの皮膚の違和感

唇やその周辺の皮膚がピリピリ、むずむず、チクチクしたり、かゆみや痛みを感じたりします。特有の感覚で、口唇ヘルペスを経験している方は前兆の段階で「まただ」と感染がわかることもあるようです。

重症化した場合の症状…
水疱、口内炎

口唇ヘルペスが重症化すると、唇周辺が赤くなって水疱が現れます。また、口内炎ができることもあります。熱感や痛みを伴うことが多いですが、1~3週間程度でかさぶたになって症状が落ち着いてきます。

ヘルペスの原因や種類

ヘルペスの原因

口唇ヘルペスの主な原因は、ヘルペスウイルスへの感染です。ヘルペスウイルスは脂質の膜であるエンベロープに覆われており、エンベロープによってウイルスが細胞内に侵入します。キスなどの直接感染以外にも、タオルや食器などを介して間接的に感染する可能性もあり、同居家族間で感染しやすいことが問題です。

ヘルペスには主に2つの種類がある

ヘルペスウイルスは主に2種類存在します。口唇ヘルペスの原因となるのは単純ヘルペスウイルス(HSV-1/2)ですが、水疱瘡や帯状疱疹の原因となる水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)も「ヘルペス」と呼ばれます。同じように「ヘルペス」と呼ばれますが別のウイルスで、治療方法は異なります。

単純ヘルペスウイルス
(HSV-1/2)

  • 口唇ヘルペス
  • 性器ヘルペス
  • ヘルペス性歯肉口内炎
  • カポジ水痘様発疹症

など

いったん症状が治まっても再発することが多いと言われています。

水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)

  • 水痘(水疱瘡)
  • 帯状疱疹

など

こちらも、いったん症状が治まっても再発することがあります。

帯状疱疹の詳細はこちらへ

口唇ヘルペスの治療法

口唇ヘルペスは、飲み薬や塗り薬で治療します。一般的に使用されるのは、ウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬です。ウイルスが増殖してからの服薬は発症を抑えるのが難しくなってしまうため、なるべく早期からの服薬が望ましいでしょう。
通常、飲み薬と塗り薬は同時に使われません。

外用薬

外用薬アシクロビルやビダラビンが使用されます。

内服薬

アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビルが使用されます。ファムシクロビルは、発症前の前兆の段階で使用できる場合もあります。再発の予感があったら、できるだけお早めに当院を受診してください。

口唇ヘルペスの感染を
避けるための効果的な対策

口唇ヘルペスは感染力が強いため、身近なところで感染者が出た場合は、うつさない・うつされないための感染対策が大切です。以下で具体的な方法をご紹介します。

同居家族間での食器やタオル
などの共有を控える

同居家族間での食器やタオルなどの共有を控える物に付着したヘルペスウイルスからも簡単に感染してしまいます。少なくとも口唇ヘルペスの症状が出ている間は、感染者とその他の人で食器やタオルの共有は控えましょう。

手洗いを徹底する

こまめに手洗いして手指の除菌に努めましょう。できるだけ感染者が使用した衣類やタオル、食器などに触れないようにするのが望ましいですが、もし触れた場合は入念に手洗いしてください。

キスなど、顔を近づける
スキンシップを控える

口唇ヘルペス感染者の唇周辺には大量のウイルスが付着しています。少なくとも口唇ヘルペスの症状が出ている間は、キスや顔を近づけるようなスキンシップは控えましょう。

体調管理に努めて免疫力を
高める

口唇ヘルペスの感染力は強いので、感染しないように免疫力を高めるため、体調管理を徹底しましょう。感染したとしても発症しにくくなり、感染リスクも低下します。

紫外線対策に努める

口唇ヘルペスは、皮膚や粘膜がダメージを受けている状態であるほど感染しやすくなります。紫外線はダメージの一因であるため、紫外線対策が感染予防につながります。

口唇ヘルペスのQ&A

口の周りに出てきたブツブツがなかなか治りません。皮膚科を受診した方がいいでしょうか?

ヘルペスウイルスは、他のウイルスと異なり症状が治まっても死滅することがありません。
一度感染をしてしまうと、ヘルペスウイルスは神経節に潜んでおり、いったん症状が治まっても抵抗力が落ちた時に再び症状が現れます。

ヘルペスが再発するのはなぜですか?

免疫力の維持・ストレスの発散が再発防止に効果的と言われています。十分な休養と規則正しい生活習慣、栄養バランスのとれた食事を心がけましょう。

口唇ヘルペスの再発を防ぐ方法はありますか?

あります。口唇ヘルペスの感染力は高く、水疱などの症状が現れている時は他の人に感染する可能性があります。
口唇ヘルペスの感染者が周囲に出た時は、乳幼児や妊娠中の女性、特に免疫力が低下している人は特に注意しなければなりません。

口の周りにヘルペスの症状が出ていても、リップクリームを塗っていいでしょうか?

乾燥している場合は処方された保湿剤を塗り、市販のリップクリームは避けましょう。